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難波利三 なんば・としぞう
1936(昭和11)年島根県温泉津町湯里の生まれ。関西外国語大学中退。大阪で業界紙の勤務を経た後、作家に転身。64年「夏の終わる日」で小説新潮入選。72年「地蟲」で第40回オール読物新人賞を受賞、直木賞候補となる。84年「てんのじ村」で第91回直木賞受賞。「天皇の座布団」「舞台の恋人」など作品多数。大阪府堺市在住。99年12月温泉津町の名誉町民となる。 |
イルティッシュ号の来た日
明治38(1905)年5月28日は日曜日。10歳の弥吉は島根県那賀郡都濃村大字和木(現江津市)の浜で遊んでいて、四本マストに高い煙突のある巨大な船を沖合に見つけた。日露戦争の日本海海戦で敗れたロシアのバルチック艦隊の特務運送船イルティッシュ号だ。六隻のポートに乗り移った200人を超す乗組員が村人の手を借りながら次々と浜に上陸。翌朝、全員が浜田に護送された。
ロシア兵たちは四国の捕虜収容所を経て故国に帰ったが、翌年から和木では、ロシア兵をしのんで5月にロシア祭りが開催される。 (写真:江津市和木海岸の真島付近) |
イルティッシュ号の金塊
最近、ロシアのタンカーが日本海で沈没し原油を大量に垂れ流して、沿岸各地に大変な被害を与えたが、これは日露戦争終末の1905年(明治38年)5月28日、日本海海戦で日本海軍の砲撃を浴びたバルチック艦隊の特務艦・イルティッシュ号が江津市和木の真島沖まで漂流し沈没した。ゴムイセフ艦長以下265名のロシア兵は、ボートで脱出住民に救助された。
この特務艦に莫大な金塊が積まれていて、艦とともに海中深く眠っていると言われ、1933年(昭和8年から1959年(昭和34年)まで4回にわたって引上げを試みたが結局"まぼろし"に終わった。
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