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ヰタ・セクスアリス 森 鴎外著
この作品は、人生の春の目覚めから中年に至る自己の性欲の発露の過程を回想したものであるが、時の政府から発禁処分を受けた。この小説が森林太郎の署名入りで発表されたのは1909(明治42)年で、今となっては発禁処分となった理由も通用しない世の中だが、著者の自伝的価値は永遠に失われないであろう。
また、あまたある著作の中で唯一鴎外が郷里のことに触れた自伝的要素を含んだ小説として注目された。
(写真:鴎外旧宅)
「六つの時であった。中国の或る小さなお大名の御城下にいた。廃藩置県になって、県庁が隣国(浜田県)に置かれることになったので、城下は俄かに寂しくなった。・・・・・お父様は藩の時徒士(かち)であったが、それでも土塀をめぐらした門構の家にだけは住んでおられた。(ヰタ・セクスアリスより抜粋)」とかなり忠実に自分の生い立ちを再現している。
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